青森県における男女共同参画社会の実現を目指して活動する特定非営利活動法人です。

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私たちは県内で広く活動する会員のネットワークを活かし、
行政や企業、団体そして地域の皆さんとパートナーシップ
をとりながら、青森県における男女共同参画社会の実現を
目指して活動しています。



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   会報 第16号  2006年 8月     無断転載および印刷はご遠慮ください
                          
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 男女共同参画社会によせて
陸奥新報 リレーエッセイ 『おんな おとこ 共に生きる』
2006.6.11 掲載
〜 本当の自立とは 〜
                 
    会員   慶 長  洋 子(八戸市)
 高校を卒業して、我が家の一人息子は晴れて大学生になった。大学に合格が決まったとたん、様々な書類が送られてきて、多くの契約をすることになった。
 まず入学手続きに始まり、アパートの契約、電気・ガス・水道・インターネットの契約。新生活に必要なあらゆるものが契約によって成り立っており、息子は未成年者なので保証人が必要とされる。不動産の契約の時に送られてきた書類は、契約者欄には「子どもさんの氏名」という付箋がつき、保証人欄には「お父様氏名」の付箋で、参考人という欄に初めて「お母様氏名」という付箋がついていた。確かに父親の方が収入も多いから、保証能力という点では優位かもしれないが、どうして母親だといけないのだろうか。
 さて、息子の新生活は「男だって自分のことは何でも自分でできないとだめなんだろう」の一言でアパートに決めた。ここから息子の家事修行が始まった。
 小学校の頃は興味本位で、お菓子やカレーライスを一緒に作ったが、中学・高校は部活動や受験やらで家事は殆どやっていない。アパートで一人暮らしをするとなると、さすがに真剣に家事修業をしなければならない。まずは食事。メニュ−を何にするか、買い物ではどんな食材を選ぶか、作って食べて、後片付けまで、食事ひとつでもすることはいろいろある。そのほかに洗濯、掃除。掃除も、部屋はまだしも台所・トイレ・風呂など場所によって使う洗剤や掃除のやり方も違うし工夫が必要である。
 また訪問販売もやってくる。引っ越して3日目に新聞購読の勧誘がきた。息子は断りたいのだが、どう返事したらいいのか困っている。たまたまその場にいた私は「新聞はとりません」とはっきり断ってみせる。次々と容赦なく新しいことがやってくるので、どうしていいのか困ることがあるようだが何事も経験だ。
 息子は「学校は楽しいが家事が大変だ」という。けれども、男でも女でもこの家事をクリアしないと、本当の自立はできない。「自分のことは自分でできるようにならなければ」を実践する息子にエールを送る毎日である。

 

ジェンダー・カフェ
〜月刊情報誌「We learn」に当研究所の企画ページ掲載〜

   財団法人 日本女性学習財団が男女共同参画社会の形成に資する女性の生涯学習雑誌として毎月発行している「We learn」に「ジェンダー・カフェ」のタイトルで当研究所の2ページの企画が掲載になりました。
育児の苦労は、買ってでもしたほうがよい  2006年6月掲載
「毎日、子どもの世話と掃除・洗濯・食事の支度に明け暮れていると、メディアの仕事に就いているにもかかわらず、大事故のニュースを知らないなど、社会の出来事に疎くなっている自分がいました。社会との接点が少なくなっていて、そんな中、保育園の先生や周囲のお母さん方との話やアドバイスは大変ありがたいものでした。」と、話してくれたのは、妻の職場復帰をサポートするため育児休業を取った男性です。
 公務員や学校の先生ではない、会社員の男性が育児休業を取得したという噂を聞き、どんな人だろうと思っていたとき、お話を伺う機会がありました。
 お互いの仕事を尊重し、家族の大事な出来事は共有しようと、2人で話し合って出産の立会い・育児休業を決めたという「夫・父親の鑑(かがみ)」のようなお話の一方で、自分の場合はたまたま休業しても他の社員がカバーできるところだったので取れたけれど、忙しい部署だったら同僚に迷惑をかけるから取ろうと思わなかったかもしれないと、仕事優先の考え方もチラリ。そして、そんな自分を振り返りながら、取りたくても職場の事情で取れない男性は多いのではないか、自分の育児休業を可能にしたのは何よりも会社の理解と同僚の協力であったと話されました。
 ここ数年、新聞などいろんな場で育児休業を取得した男性の体験談を聴いたり見たりする機会が増えてきました。その中で共通しているのは、会社や同僚の多くが「目いっぱい楽しんで」と声をかけてくれたことなど周りの理解や協力が大きな支えになったということです。
 子育て中の母親の育児ノイローゼの原因として、母親だけに子育てが任され、父親の存在感が薄いことや人とのつながりが少ないことが指摘されています。
 「育児の苦労は買ってでもしたほうがよいです。子どもが小さいうちに子育てにかかわり、その大変さがわかるだけでも意味があります。長い人生で今しかできない体験は、妻や子ども、そして何よりも自分に良い影響を与えます」と話す彼は、子どもを育てているようで、実は自分の人生を豊にしている、まさしく「育児」は「育自」に気づいています。男女がともに安心して子どもを産み育てることができる世の中こそ、豊かな社会といえるのではないでしょうか。

 
”あい””ゆう”データトーク
「少子化対策のカギは夫の家事・育児参加」
あい 夫婦の1年間の子どもの出生状況について興味深い結果が出たよ。
ゆう: どんな結果?
あい: 妻の職場に育児休業制度があるかどうかで、夫婦に子どもが生まれる率が約3倍も差が出たこと(表1)。やっぱり、子どもを産んだ後も同じ職場で仕事を続けられるという保障があれば、産みやすくなるってわけだね。
ゆう: へぇ。そうなんだ。
あい: それから、夫の家事・育児時間が多いほど、子どもが生まれていることもわかったよ。
第1回調査の時に子どもが欲しいと考えていた夫婦のうち、夫の休日の家事・育児時間が増加した夫婦は減少組より出生率が10%も高かった。
ゆう: だけど、時間の増減が変化なしの夫婦の出生率も“増加夫婦”とあまり変わらないけどね。
あい: 第2子の出生率を見てよ。一番高かったのが、“増加夫婦”(表2)
夫の1日当りの仕事時間(10時間以上)の増減別での比較でも、第2子の出生率は、仕事時間減少組が一番高かった(表3)。
夫の家事・育児参加と仕事時間減少が第2子を産むかどうかのキーポイントかな。
ゆう: なるほど。やっぱり少子化対策のカギは、夫の家事・育児参加と仕事時間減少、そして妻が出産後も仕事を続けられる職場環境が必要ということなんだね。

表1 妻の職場の育児休業制度の有無別1年間の出生状況
(単位:%)

育児制度の
有無
出生あり 出生なし
総数 第1子 第2子 第3子
制度あり 14.3 4.7 7.3 1.7 85.7
制度なし 5.2 2.2 2.4 0.7 94.8
わからない 6.8 2.6 1.9 2.3 93.2

表3 夫の仕事時間(10時間以上)の増減別1年間の出生状況
(単位:%)
夫の仕事時間 出生あり 出生なし
総数 第1子 第2子 第3子
増加 22.0 4.1 13.8 4.1 78.0
減少 28.4 5.4 21.5 1.5 71.6
変化なし 30.4 8.7 18.8 2.9 69.6
表2 夫の家事・育児時間の増減別1年間の出生状況
(単位:%)

夫の家事・
育児時間
出生あり 出生なし
総数 第1子 第2子 第3子
増加 30.4 5.8 22.0 2.6 69.6
減少 20.2 5.3 12.4 2.5 79.8
変化なし 30.7 11.9 17.6 1.1 69.3


『21世紀成年者縦断調査』 厚生労働省 平成18年3月8日公表
 少子化対策などの基礎資料を得るため、平成14年10月末時点で20〜34歳だった全国の男女とその配偶者を対象に15,16年と毎年追跡調査を実施。平成16年11月の今回の調査には約2万人が回答した。




スポット れ・き・し
育時連 (男も女も育児時間を!連絡会)
 日本で始めての男性たちによる、男性の育児参加を求める運動。
 “育時連”は、1980年6月、「男も女も育児時間を認めて」と会社に要求していこうという呼びかけから始った。  中心メンバーの一人、田尻研治さんは、1986年当時1歳だった娘の保育園の送迎のために、1日1時間の育児時間を要求して、労働組合の支援の下、指名ストライキ(ストライキに参加する組合員を指名したもの)を毎日4年間にわたって実行し、遂に会社に男性の育児時間を認めさせ、大きな話題となった。
 育時連は、代表をおかず、会費もなく、誰でも自由に参加でき、自らの意思と責任で活動することを原則にしている。会員には、既婚未婚、男女問わずさまざまなメンバーが集まっているが、会の中心には、職場や家庭での性別役割分業や「男らしさ」「女らしさ」の押しつけに疑問を持ち、積極的に育児に関わっている父親が多い。 「男も女も同じように子育てにかかわろう」、「男も女も共に仕事と家庭を両立させよう」、「そのために今の働き方を見直そう」と月1回の定例会を中心に、季刊誌の発行やインターネットを活用した情報交換など幅広い活動を行っている。

 
 
青森県男女共同参画フェスティバル2006
  とき:6月17日(土)
  場所:青森県男女共同参画センター・アピオ

 午前中は元NHKアナウンサー広瀬久美子さんの講演があり、午後はワークショップです。当研究所は「メディアで情報発信」と題して、陸奥新報に掲載したエッセイをもとに参加者と意見交換をしました。部屋一杯になった大勢の参加者からは、 「エプロンや炊事用手袋は、男性女性にこだわらず、多様な 柄やサイズが欲しい」「夫婦のどちらかが入院しても困らない ように、自分のことは自分でできないとだめだよね 」など、 たくさんの意見が出されました。今回のワークショップは身近な ことがテーマだったので、おおいに盛り上がりました。


七戸町”男女共同参画いきいきセミナー”
  とき:2006年7月16日(日)10:00〜12:00
  場所:七戸町南公民館

 会員の蛯名桂子さんが代表をつとめる女性フォーラム七戸と、七戸町の生涯学習課、及び南公民館が合同で開催した「男女共同参画いきいきセミナー」に、当研究所が講師として依頼され7名がまいりました。七戸町民は35名と、会場いっぱいの参加でした。最初に啓発ビデオ「もっと素敵にハーモニー」を視聴。男女共同参画社会について簡単な説明の後、5つのグループに分かれて、「家庭や職場 ステキな関係って?」をテーマにワークショップをしました。時間のたつのも忘れるほどいろいろな話し合いがなされ、私たちも楽しく七戸町の皆さんと交流ができました。参加者からは次のような感想をいただきました。
 
感想
●男女共同参画について分からなかったけど、参加してビデオを見たり、話を聴いたりして知ることが多かったです。
●男と女、お互いに協力、尊重して仲良く一生を終えたいものと思いました。
●夫婦だから言わなくても相手に通じるはずと思って生きてるとスレ違いは大きくなると思うので、これからは気がついたらまず話し合うということにしたいと思います。
●参加したことによって、意識を改めることができました。無理をせず少しずつ息子、孫たちとコミュニケーションをはかりながら生活したいです。・・・他たくさんいただきました。


「青森県男女共同参画県民フォーラムin平内」
  とき:2006年10月22日(日)13:00〜
  場所:平内町勤労青少年ホーム

  主催:青森県・平内町・虹の会・NPO法人青森県男女共同参画研究所
 平内町の小学生から高齢者、障害のある方々などが男女を問わず、準備に関わり、楽しい時間を過ごせる普段着の県民フォーラムを開催することによって、男女共同参画の視点を生かしたまちづくりのきっかけとすることを目的に開催します。
 このたび、県の委託を受けて、平内町の虹の会と当研究所が共同で、青森県男女共同参画県民フォーラムを10月22日に平内町で開催することになりました。
 さっそく7月30日(日)に第1回実行委員会を開催しました。最初に平内町の虹の会会長で当研究所の理事でもある須藤千和子さんがパワーポイントでフォーラム開催の主旨を説明しました。その後の組織会では須藤千和子さんが実行委員長に選出され、「多くの町民と一緒にフォーラムをつくりあげることで、男女共同参画を身近に実感できる機会にしたい」とあいさつがありました。
 続いて、県立保健大学の佐藤恵子先生を迎え、実行委員全員で「男女共同参画」ワークショップを行いました。それぞれが持っている力を発揮し、自分らしくいきいきと暮す地域づくりをめざすフォーラム開催に向かって動き始めました。今後、前青森県総合社会教育センター所長前田みき先生を迎えた第2回実行委員会(8/27、13:00〜15:00)、弘前市民会館々長田中弘子さんを迎えた第3回実行委員会(9/30、13:00〜1500)と準備をすすめていきます。10月22日を今からスケジュールに組み入れて、平内町の観光を兼ねてぜひフォーラムへおいでください。