ジェンダー・カフェ
〜月刊情報誌「We learn」に当研究所の企画ページ掲載〜
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財団法人 日本女性学習財団が男女共同参画社会の形成に資する女性の生涯学習雑誌として毎月発行している「We learn」に「ジェンダー・カフェ」のタイトルで当研究所の2ページの企画が掲載になりました。
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<夫は看護師>
2006年9月号に掲載
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我が家では、子どもが風邪を引いたり体調が悪いとき、まず夫が具合を看ます。そして夫からの意事聞いて、薬を飲んだり、病院に行ったりします。
夫は看護師。カレンダーには、日勤、夜勤、明け休み、休みという勤務予定のメモと並んで、頭痛あり、鼻水少々、咳ありという、家族の病状も書き込まれています。職業柄、このようにメモをすることが習慣になっているのです。 |
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19年前に夫は精神病院に勤めていて、作業療法を担当していました。当時、夜勤には男性職員と看護師が就いていました。病院側は、男性に看護師の資格があると夜勤は一人ですむと考え、夫に看護師の資格を取ることを勧めました。そこで夫は資格取得のために看護学校に通学。男性は3人だけで、ずいぶん珍しがられたそうですが、夫はけっこう楽しそうに学校に通っていました。
先日、久しぶりにいとこに会って家族の話をしたとき、どうも話がかみ合わないと思ったら、夫の職業がいつのまにか医師になっていたのです。病院で仕事をする男性=医師という連想でそのような思い込みとなったのでしょう。
「男女雇用機会均等法」が施行されて20年。現在は男性の仕事だと思われていた分野に女性が、女性の仕事だと思われていた分野に男性がそれぞれ進出し、男女ともに選択できる職種が増えてきています。しかし、男女別の固定的な職業観も根強く、それが個々人の選択の足かせとなっていることも否めません。 |
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”あい”と”ゆう”のデータトーク |
「増えないわけは「賃金格差」 |
あい: |
男女雇用機会均等法(1986年施行)以降、男性の職場に女性が進出する一方で、女性の職場にも男性が進出しているよね。 |
ゆう: |
そう。女性の職種だった看護師も男性の姿を大分見かけるようになったけど、どのくらいの割合になったのかな。 |
あい: |
2004年で男性は全体の約4%。10年前(1994年)の2.6%と比べてもそれほど増えていない。男性看護師の増加を期待する向きも多いけれど、一生の仕事にするには不安をもつ人が少なくないみたいね。 |
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ゆう: |
どうして? |
あい: |
一般的に女性の賃金は男性に比べると低いということもあって、女性の職種であった看護師の賃金も低いこと。それに男性用の更衣室やトイレ、休憩室が整備されてなくて仕事がしづらいこともあるようだね。看護される側も、特に高齢者は「男性に看護されるのはちょっと・・・」と敬遠することもあるようだし。 |
ゆう: |
働く女性が置かれている「男女の賃金格差」の問題が、男性看護師が増えない最大の理由かな。この差が縮まったら、男性看護師の数も増えると思うよ。 |
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就業看護師・保健師数の年次推移 |
年 |
H4(1992) |
H6(1994) |
H8(1996) |
H10(1998) |
H12(2000) |
H14(2002) |
H16(2004) |
看護師 |
441,309 |
492,352 |
544,929 |
594,447 |
653,617 |
703,913 |
760,221 |
男 |
10,810 |
12,768 |
14,885 |
17,807 |
22,189 |
26,160 |
31,594 |
(割合) |
2.4 |
2.6 |
2.7 |
3.0 |
3.4 |
3.7 |
4.2 |
女 |
430,499 |
479,584 |
530,044 |
576,640 |
631,428 |
677,753 |
728,627 |
(割合) |
97.6 |
97.4 |
97.3 |
97.0 |
96.6 |
96.3 |
95.8 |
保健師 |
26,909 |
29,008 |
31,581 |
34,468 |
36,781 |
38,366 |
39,195 |
男 |
− |
− |
44 |
86 |
148 |
189 |
281 |
(割合) |
− |
− |
0.1 |
0.2 |
0.4 |
0.5 |
0.7 |
女 |
26,909 |
− |
31,537 |
34,382 |
36,633 |
38,177 |
38,194 |
(割合) |
100.0 |
− |
99.9 |
99.8 |
99.6 |
99.5 |
99.3 |
出典:厚生労働省「平成16年保健・衛生行政業務報告(衛生行政報告例)」
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スポット れ・き・し |
男性看護師の歴史―看護人から看護師へ |
日本における男性看護職の登場は、意外に古く女性看護職とほぼ同時期のようである。戊辰戦争(明治元年)の際に負傷兵の看護に男性が当たったのが始まりとされている。その後、看病人、看護手、看護卒などの名称で、主として戦時下の前線で負傷兵の看護にあたった。また、1900年代に入ると精神障害者の看護人として男性が要請され、精神科領域での男性看護職の養成が始まっている。
1915年の『看護婦規則−付則』の中で、「准看護婦及ビ男子タル看護人ニ対シテハ本令ノ規定ヲ準用ス」と規定され、女性の看護婦に対して男性は看護人と称された。その後、1968年『保健婦助産婦看護婦法』の改正により、看護人が看護士の名称に変更され、さらに2002年の法改正で、男女ともに看護師の名称に統一され現在に至っている。
*参考文献・山田正己著『男性看護職の歴史と現状からの一考察』看護教育増刊2004NOV.Vol.45 No.11所収
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平成19年1月21日、黒石において、「津軽広域管内市町村で、男女共同参画に関わる団体及び個人の連絡調整・協働を効果的に推進していくことを目的」に、当研究所を含む10団体と2個人による「男女共同参画ネットワーク・津軽広域」ができました。3市、3町、2村とも連携を図りながら津軽広域での男女共同参画社会づくりをめざして活動することになりました。 |
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当日は設立総会に引き続いて開催された記念フォーラムにおいて、各団体の取り組みが紹介され、今後に向けての話が披露されました。
パネラー・コーディネーター11名のうち、4名が当研究所の会員です。当研究所会員は、いろいろな団体の重要なポジションと重なっているんですね。
また、佐藤理事長が当研究所の活動として「碇ヶ関村の広報誌に男女共同参画のエッセイを連載していました」と紹介したら、パネラーの平川市連合婦人会代表から「私も毎号、楽しみに読ませていただきました。」とエールをいただきました。
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七戸町広報へ来年度も寄稿が決まりました |
上北郡七戸町「広報しちのへ」への寄稿は平成18年9月から始まっています。 |
七戸町男女共同参画担当・哘(さそう)真理子さんより
「広報しちのへ」への新企画コーナーで『男女共同参画ってな〜に?』の寄稿文を頂きまして心から感謝申し上げます。
私自身、担当者として男女共同参画の意味がわかりませんでした。一人の力ではどうにもできない時に、青森県男女共同参画研究所のすばらしい活動を知り、七戸町にも男女共同参画社会への理解と意識啓発を進めるためご協力頂いたわけです。
いろいろな角度からとらえたわかりやすい内容で“うん、うん、”“なるほどね”と興味深いものでした。
大分前ですがあるテレビ番組で、「女性は外で仕事をさせてもらっているだけで有難いと思いなさい」と言っていたのを聞いて、その時は疑いもなく受け入れていました。
しかし寄稿文をみて自分の間違いを知ることになりました。男だから、女だからではなくお互いがいきいきと楽しく生きて行きましょうね。そんな気づきを与えてくれた寄稿文でした。 小さなコーナーですが、一人ひとりの心に投げかけたものは大きいと思います。
これからも、男女共同参画社会実現に向けみなさまからのご支援よろしくお願いいたします。 |
七戸町の男女共同参画事業は、担当者の理解によってどんどん企画され、町の推進につながっていっています。今後の七戸町にご注目! |
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陸奥新報への連載エッセイ 好評のうちに終了! |
平成18年1月15日から12月31日までの1年間にわたった 「女(ひと)と男(ひと)共に生きる」の陸奥新報連載は大きな反響をいただきました。 |
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平内町の大成功だったフォーラムその後を、平成18年12月17日の掲載でお知らせしました。 |
「広がる男女共同参画の輪」・・・須藤千和子
私の住む平内町には、男女共同参画推進の活動をしている「虹の会」という団体があります。先日、NPO法人青森県男女共同参画研究所のバックアップを得て、この「虹の会」を中心に平内町をあげて「青森県男女共同参画県民フォーラム in 平内」という県のイベントを開催しました。 幼稚園児・小学生から高校生、高齢者、障害のある方々やボランティア活動グループなど、あらゆる年齢層やさまざまな活動団体に参加をよびかけたことで、イベント当日は約300人の町民が集い、多くの人々に男女共同参画を知ってもらう大きなきっかけとなったと思います。
でも、一番の収穫は事前に開いた実行委員会にありました。その実行委員会は町のさまざまな活動団体の代表の方々で組織し、イベントの話し合いのほかに、男女共同参画についての学習会を3回組み入れ、理解を深めてもらう工夫をしたのです。
うれしいことに、フォーラムが終わったあとに、その効果がすぐに現れました。男の料理教室「WAの一品料理を楽しむ会」というのを企画したのですが、実行委員であった大勢の男性の方々が積極的に参加してくれました。男性も高齢者になったときに、自分の身の回りのことを自分ででき健康で自立した生活をすることが、これからの高齢化社会では必要だということを理解していただいたようです。生活習慣病予防や食生活の改善などの第一歩として、難しく考えずに、まず料理を経験してみようというのがねらいでした。
「WA」に込めた願いどおり、「わ」の津軽弁が飛び交う和やかな料理教室は大成功でした。参加が難しいと言われている70歳代後半の参加者からも「習いにきてよかった」「なかなか楽しいものだ」との感想をいただきました。
これからもこのような気運を大切にして、職場や学校、そして地域や家庭などあらゆる場で女性と男性が一緒に協力して明るいまちづくりに取り組むことで、さらに男女共同参画の輪を広げていきたいものと思っています。
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パネルを展示しました |
H18.11.25 新弘前市誕生記念
ひとにやさしい社会(まち)推進講演会
弘前市相馬 |
H19.1.21
男女共同参画ネットワークフォーラム
黒石市 |
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町長に提言 七戸町 |
当会の会員で、女性フォーラム七戸の委員長でもある蛯名桂子さんは、七戸町の明るく住みよいまちづくりのため、「女性の視点・意見をもっと生かして」と町長へ提言をしました。立案・企画から方針決定過程まであらゆる場への女性の参画と女性行政職員の管理職への登用も含め目標率を定めて実施してほしいとの内容でした。町長は、男女共同参画の観点からもそれは是非実行したいと述べました。
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