青森県における男女共同参画社会の実現を目指して活動する特定非営利活動法人です。

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私たちは県内で広く活動する会員のネットワークを活かし、
行政や企業、団体そして地域の皆さんとパートナーシップ
をとりながら、青森県における男女共同参画社会の実現を
目指して活動しています。



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   会報 第21号  2007年 11月      無断転載および印刷はご遠慮ください
                                 
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ジェンダー・カフェ
〜月刊情報誌「We learn」に当研究所の企画ページ掲載〜

 
  財団法人 日本女性学習財団が男女共同参画社会の形成に資する女性の生涯学習雑誌として毎月発行している「We learn」に「ジェンダー・カフェ」のタイトルで当研究所の2ページの企画が掲載になりました。

<男のプライド − なぜ、男は悩みを話せないのか>
                                  2007年6月号に掲載

 先日、40代の男性と話す機会があった。その中で、彼は「男にはプライドがあるから・・」というフレーズを何度も使った。「男はプライドがあるから、恥をさらしたくない。弱みを見せたくない」「男にはプライドがあるから、悩みがあっても妻や友人にも相談できない」「男のプライドから、やっぱり女には負けられないと思う」など。
ご本人は、地元企業の管理職を務めながら、様々な社会活動に取り組み、家庭でも子どもたちに手作りの料理を振る舞うのが趣味という、外見も含めていわゆる男らしさを感じさせない人だったので、男のプライドにこだわっているらしいことがわかって、少しがっかりした。
 ずいぶん前になるが、夫も同じようなことを言っていた。結婚して20年、夫が40代後半の頃だった。日頃から無口で無愛想だった夫が、だんだん元気がなくなり自分の殻に閉じこもり、ほとんど口をきかなくなってしまった。その様子があまりにも辛く哀しそうで、このままでは自殺してしまうのではないかと心配になり、けんかになるのを覚悟で声を掛けた。始めは「大丈夫、何でもない。放っておいてくれ!」と抵抗したが、私がしつっこく強い態度で迫ると、ぼそぼそと涙まじりに自分の気持ちを語り出した。「仕事の上でとくに失敗したり、トラブルがある訳でもないのに、人間関係や昇進のことが不安でどうしようもなくなり、怖くて死にそうになる。でも、男のプライドにかけて絶対に誰にも相談できない。」男として競争社会に生まれ育ち、常に勝敗におびえながら生きる辛さを妻にさえ打ち明けられない夫の苦しい心情を知って、私は心から同情し一生懸命励ました。
 その後、夫は悩みはもちろん、日々の職場での出来事や楽しいこと、嫌なこと何でも私に話すようになった。そして、少しずつではあるが、確実に男らしさから解放され自分らしさを出せるようになってきていると間近で感じる。 私たちの回りには、男のプライドにこだわって、悩みを誰にも相談できず苦しんでいる男性が多い気がする。依然として減る気配のない中高年男性の自殺の背景にも、男のプライドという厄介な代物が潜んでいるのかも知れない。
 
”あい””ゆう”データトーク
自ら命を絶つ中高年男性
あい: 昨年公表された自殺者の概況によれば、相変わらず3万人を超えていて、そのうち男性が23,540人で72.3%。圧倒的に多いね。
ゆう: うん、しかも40歳以上が17,196人で全体の73%を占めている。やっぱり中高年男性の自殺が多いという状況は変わっていない。
あい: さらに男性に注目すると、職業では無職者が10,950人で一番多く、全体の46.5%。うち失業者が1,398人もいる。やっぱり失業したことが原因で命を絶つ男性が多いのかな。
ゆう: 自殺の原因については遺書がある人についてしか推測できないけど、遺書がある人のうち、経済・生活問題が原因で自殺したと思われる人が2,964人。38.5%を占めている。40代・50代では、49〜51%にものぼっているよ。
あい: 家族を経済的に養う役割が期待されている男性は、それが果たせなくなった時、自ら死を選んでしまう傾向が高いといえるかもね。
ゆう: さらに、遺書のない男性は67.3%もいるんだよ。苦しさや辛さを誰にも訴えず孤独に死んでいくなんて、悲しいことだね。
あい: 長い間一生懸命働いてきて、人生で最も充実しているはずの中高年期の男性たちが、自ら命を絶ってしまうような事態は、深刻な社会問題だと思う。
ゆう: 2006年に自殺対策基本法ができて、対策が講じられるようになったけど、まずは、自ら死を選ぼうとする男性たちを思い止まらせるような相談・支援体制を整えることが必要だね。

     表1 原因・動機別・年齢別自殺者数
年齢別・原因・動機別 19歳以下 20歳代 30歳代 40歳代 50歳代 60歳以上 不詳 合計
総数 608 3409 4606 5208 7586 10894 241 32552
226 1052 1217 1088 1570 3834 25 9012
382 2357 3389 4120 6016 7060 216 23540
男遺書あり 109 693 1068 1350 2256 2208 10 7694
家庭問題 10 53 114 136 146 220 0 679
健康問題 22 177 269 285 584 1158 0 2495
経済・生活問題 2 157 384 658 1146 617 0 2964
勤務問題 4 103 127 141 197 37 0 609
男女問題 12 64 64 32 21 12 0 205
その他・不詳 59 139 110 98 162 164 10 742
男遺書なし 273 1664 2321 2770 3760 4852 206 15846

表2 職業別自殺者数

有職者 無職者 不詳 合計
自営者 管理職 被雇用者 主婦
主夫
失業者 その他無職 学生生徒
3700 629 8312 2705 1496 13913 861 936 32552
3315 581 7204 86 1398 9552 596 808 23540
385 48 1108 2619 98 4361 265 128 9012

※2005年中における自殺の概要資料(抜粋)
 警察庁生活安全局地域課 2006年6月発表



スポット れ・き・し
“男性相談の歴史−『男』悩みのホットラインの10年”
 1995年11月、日本初の男性専用の相談電話、“『男』悩みホットライン”が開設されました。“男性が、「男らしさ」に縛られることなく、女性を抑圧することもなくいきいきと生活できる社会をめざす”メンズリブのメンバーたちによって、立ち上げられました。
 ホットラインの最大の特徴は、男性からの悩みの相談を男性の相談員が聴くことです。開設から10年間(1995年11月〜2005年10月)に272回の相談を実施し、延べ1,213件の電話を受けています。30代を中心にあらゆる年齢層の男性から相談があり、主な相談内容は、@性・セクシュアリティA自分の性格・生き方B夫婦関係BDV(ドメスティック・バイオレンス)など多様です。
 このホットラインの開設をきっかけに、大阪市をはじめ全国の県・市で男性向けの相談が実施されるようになってきました。

資料:『男の電話相談』 『男』悩みホットライン編著 かもがわブックレット158 2006年

 


 
生涯学習フェア2007に取り組み成果展示
 ◆9月29日に県総合社会教育センターにおいて「ふれて・見て・聞いて、ともに輝こう!」のテーマで生涯学習フェアが開催されました。当研究所はこれまでのフロア展示に変り、今年は第7研修室1室専用に展示会場として活動内容を紹介いたしました。大勢の皆さんにご覧いただき、たくさんの励ましをいただきました。

 

 
パートナーセッション2007で研究所の活動紹介
 ◆10月20日、青森県とアピオあおもりが主催するパートナーセッション2007において、研究所の活動内容をパネル展示いたしました。

 

 
「広報とわだ」男女共同参画通信コーナーに寄稿はじまる
 平成19年9月号の「広報とわだ」男女共同参画通信コーナーに、当研究所のエッセイ「男女共同参画なるほどコラム」が掲載されました。
 今後とも市の広報を通じて日常生活のいろいろな角度からとらえた男女共同参画についてお知らせしていきます。

 

 
「関係づくりを育む子育て支援」シンポジウム
 平成19年8月24日(金)青森市のアウガにおいて日本女性学習財団とカダールの共催による「関係づくりを育む子育て支援」シンポジウムが開催され、午前10時から午後3時30分まで山谷と蛯名の2名が参加しました。
 
山谷感想・・・村中季衣(児童文学作家,梅光学院大学子ども学部教授)さんの講演に感動しました!!絵本を通じての関係づくりについていろいろな実例のお話をうかがいながら涙があふれてどうしようもなくなりました。村中さんのお話はとても心に響き、知人との「このお話をもっと多くの方に聞いていただきたかった。」の感想になりました。

蛯名感想・・・
「本の読み聞かせ」という言葉はよく聞きますが、村中さんは「本の読み合い」なんだと言いました。本を読む側と読んでもらう側が双方に影響しあい、お互いが心を交換し合うものなんだと私は受け止めました。本を読んであげるということ、読んでもらうということは、お互いがいい関係であることが大切で、いい関係であればこそお互いの心が動き響きあうのだと教えられました。これは、子育てや本の読み聞かせだけに限ったことではなく、大人になって社会にでても「関係づくり」は鍵になるほど大切なことだと深く感動しました。