青森県における男女共同参画社会の実現を目指して活動する特定非営利活動法人です。

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私たちは県内で広く活動する会員のネットワークを活かし、
行政や企業、団体そして地域の皆さんとパートナーシップ
をとりながら、青森県における男女共同参画社会の実現を
目指して活動しています。



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   会報 第25号  2008年 11月      無断転載および印刷はご遠慮ください
                                 
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ジェンダー・カフェ
〜月刊情報誌「We learn」に当研究所の企画ページ掲載〜

 
  財団法人 日本女性学習財団が男女共同参画社会の形成に資する女性の生涯学習雑誌として毎月発行している「We learn」に「ジェンダー・カフェ」のタイトルで当研究所の2ページの企画が掲載になりました。

< ”家族介護神話” を乗り越えよう>   2008年6月号に掲載

 介護問題が原因で結婚できないという若い人たちの話を聞いた。30歳になるAさんは、職場で知り合った彼女と意気投合し、結婚を考えるようになった。でも、実家には90歳になる祖母がいて、嫁である母親が介護をしている。介護をめぐって祖母と両親の間で諍いが絶えず、とても彼女を紹介できるような状況ではない。
 こんな家族の様子を知ったら、きっと彼女は離れていってしまうだろう。それに、自分は長男だからいずれは親と同居して面倒をみなければならない。でも、彼女に親の介護は期待できないし、彼女だって嫌がるだろう・・。結局、Aさんは、結婚を言い出すことができないまま別れることになってしまった。
 Bさんは26歳、結婚してもいいと思っている彼がいるが、結婚後どちらの親と同居するかでお互いの思いが食い違ってしまった。彼女は、一人娘ということもあり、結婚後は自分の両親と同居して、母親に家事や子どもの世話をサポートしてもらって仕事を続け、ゆくゆくは親の介護もしたいと考えていた。
 一方彼は、親と別居するのはともかく、長男である自分が彼女の両親と同居することは、親の手前とてもできないし、自分にも親の介護の責任があると言う。二人の思いはすれ違ったまま、膠着状態が続いている。
 介護の問題は、中高年世代にとっては切実でも若い世代にはあまり関係がないと思っていたが、親の介護が原因で結婚に踏み切れないでいる人たちの現状を知ってショックを受けた。同時に、若い人たちが想像以上に、親の介護は自分たちの責任、家族介護が当り前と思い込んでいることにも驚いた。
 介護の社会化が叫ばれて久しいが、依然として家族による介護が主流を占め、その中で、介護離婚・家庭崩壊、兄弟・親族間の不和、介護殺人・虐待、老老介護による共倒れなど家族介護を巡る問題は益々深刻化している。しかも、若い人たちの人生設計にまで暗い影を落としてきていることを考えれば、家族介護が限界に来ていることは明らかだ。私たちは本気で家族介護神話(幻想)を乗り越えなければならないと思う。
 
”あい””ゆう”データトーク
親の介護は、子どもがするのが当たり前?
あい: 「2003年に日本家族社会学会が行った第2回全国家族調査で、〈親が寝たきりなどになった時、子どもが介護するのは当り前だ〉という考えについて聞いた結果を見ると、全体で74.1%の人が賛成していて、男性では78.2%、女性でも70%の人が賛成しているよ。やっぱり今でも家族介護神話は根強いね。」
ゆう: 「全体的に男性の方が賛成する人が多いけど、年代による違いも結構大きくて、年長者と若い人に賛成が多いんだよ。男性の場合、若年層(28〜37歳)では何と82〜84%が賛成していて、最年長(73〜77歳)の80.1%より多いんだよ。」
あい: 「年長者に賛成する人が多いのはわかるけど、20〜30代の若い男性にそんなに賛成が多いというのは意外だね。本当に、自分で介護をするつもりでいるんだろうか?」
ゆう: 「女性の回答を見ると、とくに中間世代(48歳〜67歳)の人たちは、男性や他の年代に比べて賛成がかなり少なくて、反対が多いのが目立つね。この年代の女性たちは、妻・嫁・娘の立場で実際に介護に直面している人が多く、家族で介護する大変さを実感しているからだろうか。」
あい: 「家族介護神話を乗り越えるためには、もっと家族介護の限界や具体的な問題点について、実際に経験している当事者が勇気を出して発言していくことが必要だと思うよ。」

     表:「親が寝たきりなどになった時、子どもが介護するのは当たり前だ」に対する賛否
男性 そう思う どちらかといえばそう思う どちらかといえばそう思わない そう思わない
73〜77歳 38.3 41.8 14.2 5.7
68〜72歳 29.4 49.5 15.5 5.5
63〜67歳 28.0 44.6 21.4 6.0
58〜62歳 29.9 46.0 16.4 7.6
53〜57歳 28.2 45.2 20.4 6.2
48〜52歳 31.8 46.0 15.1 7.1
43〜47歳 28.3 53.7 13.6 4.4
38〜42歳 33.2 46.3 14.1 6.4
33〜37歳 36.6 47.4 9.3 6.7
28〜32歳 35.4 47.1 12.1 5.4
31.3 46.9 15.6 5.9
女性 そう思う どちらかといえばそう思う どちらかといえばそう思わない そう思わない
73〜77歳 41.1 43.8 8.1 7.0
68〜72歳 29.2 37.5 22.1 11.2
63〜67歳 20.6 45.9 23.3 10.1
58〜62歳 22.4 43.6 25.7 8.2
53〜57歳 20.8 42.6 25.5 11.1
48〜52歳 18.2 44.8 25.7 11.3
43〜47歳 24.2 48.8 20.2 6.7
38〜42歳 22.2 48.7 19.0 10.1
33〜37歳 25.3 52.3 14.7 7.8
28〜32歳 25.8 54.0 13.4 6.8
24.0 46.4 20.4 9.1
 全体 27.4 46.7 18.2 7.6
データ:『第2回 家族についての全国調査』 日本家族社会学会・全国家族調査委員会編 2005年4月 所収


スポット れ・き・し
介護保険制度の創設―介護の社会化に向けて
 1997年12月制定、2000年4月から施行された介護保険制度は、日本における介護の社会化に向けて画期的な第一 歩をしるすものです。1980年代に結成された「高齢社会をよくする女性の会」を中心とする、嫁・妻・娘として親や 夫の介護を担ってきた女性たちが、自らの苛酷な介護体験をもとに、家族介護はもはや限界にあり、社会全体で介護を 担う仕組みづくりが必要であることを訴え続けた運動の成果でもあります。
 しかし、制度創設当初から多くの問題を抱え、さらに2005年の改正によって、地域や所得による格差が広がり、かえって家族の負担が大きくなるなど、介護の社会化の実現にはほど遠い現状にあります。真に誰もが安心できる介護制度として充実させていくためには、行政任せにせず、私たち一人ひとりが積極的に働きかけていくことが必要です。
 
 
ヌエック(国立女性教育会館)にてワークショップ開催
「男女共同参画のための研究と実践の交流推進フォーラム」
女性のエンパワーメントと男女共同参画社会づくり
〜新たな取り組みを必要とする分野への参画をめざして〜
場所:国立女性教育会館(埼玉県嵐山)期日:H20.8.29〜8.31

当研究所のワークショップの日時:2008.8.30(土)13:00〜15:00
テーマ…「メディアを活用した男女共同参画の理解普及活動への取り組み」
 当研究所では、青森県のマスメディアに対する現状調査、メディアチェック、メディア・リテラシーの研修を実施してきました。これをきっかけに、地方新聞へエッセイを連載したり、自治体広報誌の男女共同参画コーナーや、日本女性学習財団「ウィ・ラーン」へ寄稿するなどの活動をしてきました。今回のヌエックワークショップでは、会員8名が、こうしたメディアを通しての理解普及活動への取り組みを報告すると共に、今後の活動への課題と方向性について参加された皆さんと意見交換しました。
【ワークショップの様子】

【会場入り口のパネル展示
 会場には全国から44名の参加があり、このほかに立ち席がでるほど会場は満杯で、持参した資料も全部なくなりました。会員同士の密なコミュニケーションはどのようにとっているのか、地域に根ざしたきめ細かな活動の秘訣は何か、自治体担当者との連携がうまくいっているがそのコツは何か、男性への働きかけ方はどうしているのかなど、たくさんの質問が出され、内容の濃い意見交換となり、活気のあるワークショップになりました。
 ワークショップの企画運営、他団体との交流、他のワークショップへの参加などで、会員それぞれが更なるエンパワーメントをすることができました。また日ごろ忙しい会員同士の交流もでき、有意義なものになりました。
【研修棟正面にて】
 
青森県社会教育センター
「生涯学習フェア2008」へパネル展示
◆平成20年9月27日

 小会議室を提供していただきスペースも広かったので納得の行く展示ができ、来場者と親しく交流できました。2階奥という位置のため、来場者数が期待通りに伸びなかったことが少し残念でした。質問の中に「いい活動しているね。スポ ンサーはついていないの?」というのがありました。


 
はちのへフォーラム2008へのパネル展示
◆平成20年11月22日
◆八戸市総合福祉会館にて


 ヌエック(国立女性教育会館)で展示したパネル「メディアを活用した男女共同参画の理解と普及」を展示しました。 一階のロビーへ 展示したため、お客さんがたくさん見てくれていました。


 
「第5回弘前市民参画センター交流まつり」で研究所の取組を発表
◆平成20年9月7日(日)
◆弘前男女共同参画センター


●発表
「地域での多様な協働の形」と題して、当研究所の 活動を会員の山谷さん、石岡さんが発表しました。



【発表する山谷さんと石岡さん】
●記念講演会
『日本語と英語で読む津軽学入門〜「津軽学入門」出版と国際交流〜』と題し、研究所の会員である工藤緑さん を進行役とし、同じく当研究所会員である秋田看護福祉大学の北原かな子教授と弘前大学国際交流センターのサワダ・ハンナ・ジ ョイ准教授によりおこなわれました。弘前の人も目からうろこの 津軽の入門書が留学生のために日本語と英語でつくられたとても興味深いお話でした。

●展示
 交流まつりでは当研究所をはじめ、多くの団体が日ごろの活動を展示し、終日大勢の人でにぎわいました。



 
<七戸町男女共同参画講座>
テーマ:「出会えばつながる、地味でもいいから未来のために」
講 師:山田スイッチさん(作家)、田中弘子さん(当研究所理事)
日 時:平成20年9月20日(土) 13:30〜15:30
 
 当研究所会員の蛯名さんが代表を務める「女性フォーラム七戸」は、 七戸町民大学と共催で男女共同参画講座を開きました。
 講師のスイッチさんは地元の大学をでて、「世界不思議発見」のミ ステリーハンターになりたくて東京へ行き、お笑いの世界に入ったり、 白塗りダンサーにもなったり。

【お話をする山田スイッチさん】
 サンマを焼いて売るために、ブラジルに夫と二人で行ってきたという体験もあり、最近では自宅の庭に縄文竪穴式住居を新築したとか。結婚し、子どもがいるにもかかわらず、とても自由でキラキラと自分らしく生きていることが、不思議でもあり、羨ましくもありました。結婚してもしなくても、子どもがいてもいなくても、素敵に生きるためのヒントがたくさんあるような気がしました。

 
   


<はちのへ男女共同参画フォーラム2008>
テーマ:「自分の最期は心豊かに〜成年後見制度を考える〜」
講 師:中田鶴子さん(金融広報アドバイザー)
日 時:11月22日、13:00〜15:00
場 所:八戸市総合福祉会館

 当研究所会員の慶長さんが代表を務める「はちのへ男女共同参画推進 ネットワーク」は、フォーラムを開催しました。“重く難しいテーマを わかりやすく楽しく”を目指し、寸劇で表現した後、講師の中田さん より成年後見制度の説明と、高齢者や認知症の方の現状が話されました。

【熱の入った寸劇をする会員】
 重い現実だからこそ、どうしたら自分らしく、納得して最期まで生きられるのかを考える必要があると感じました。多くの高齢者に参加していただき、無事成功裏に終わることができました。
 

平成20年度弘前市初任者後期研修で講師
 10月20日に弘前市の初任者研修で、当研究所会員の工藤緑さんが「男女共同参画の理解普及のために」と題して講師をしました。
 男女共同参画は、人権問題として国連の取組から始まった経緯から、その後の国際社会と日本の動きを説明し、統計からみる日本の現状を解説しました。また、男女共同参画は単なる1つの政策・施策ではなく、社会全体に関わる問題として国(内閣府をはじめとする各省庁)や自治体が実際どう取組んでいるのかを具体的な施策で説明しました。新採用職員が男女共同参画を納得したのはもちろんですが、人事課研修担当者「男女共同参画とはこういうことだったのですか?知らなかった。」との発言に対して工藤理事は「上級職の方にも聞いていただきたいですね。」と、男女共同参画の理解普及のための売込みをするところはさすがでした。