青森県における男女共同参画社会の実現を目指して活動する特定非営利活動法人です。

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私たちは県内で広く活動する会員のネットワークを活かし、
行政や企業、団体そして地域の皆さんとパートナーシップ
をとりながら、青森県における男女共同参画社会の実現を
目指して活動しています。



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   会報 第26号  2009年 2月      無断転載および印刷はご遠慮ください
                                 
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ジェンダー・カフェ
〜月刊情報誌「We learn」に当研究所の企画ページ掲載〜

 
  財団法人 日本女性学習財団が男女共同参画社会の形成に資する女性の生涯学習雑誌として毎月発行している「We learn」に「ジェンダー・カフェ」のタイトルで当研究所の2ページの企画が掲載になりました。

<束縛は愛情じゃない−デートDVって何?>
                                   2008年11・12月号に掲載

 デートDVの被害を受けた娘がいる母親から話を聴く機会があった。つきあっていた相手の嫉妬がエスカレートし、娘は暴力をふるわれるようになった。娘は、彼を恐れるようになり、怒らせてはいけないという思いから、何をするにも彼が望む答えを探して、自分がなくなってしまい、最後にはペラペラの紙のようになってしまったという。
母親は、娘の様子がおかしいことに気づき、女性センターに相談しながら、娘を毎日抱きしめてどれほど愛情を持って育ててきたかを伝え続けた。娘の気持ちを尊重し、娘自身が携帯電話から彼の連絡先を削除するまで寄り添ったと涙ながらに語ってくれた。同じ年ごろの娘を持つ親として、とても他人事とは思えず、深く考えさせられた。 
 DVというと、結婚(婚姻関係にある)している夫婦の間に起こることで、若い恋人同士にはDVなどないのではないか。もしあっても、結婚しているわけではないのだから、女の子の方がさっさと別れてしまえば済むことではないかと、軽く考えがちである。しかし、実際には大人のDV と全く変わらないが、若者たちの間でも広く起きていることが明らかになっている。殴る蹴る、髪の毛をつかむなど身体的暴力、“ブス、バカ”などの暴言、怒鳴る、無視する、メールをチェックするなど精神的暴力、セックスを無理強いする、避妊に協力しないなど性的暴力、お金を払わせる、借りても返さない経済的暴力など、こうしたさまざまな暴力を使って恋人を支配する。そして被害者は圧倒的に女性が多い。
 経験がない若者は、恋愛への思い込みが強く、束縛を愛情と勘違いしたり、相手に従うのが愛情と思い込んで、気づかないうちにが深刻化してしまうケースが多いと言われている。若者は男女平等意識が強く、女性も自己主張するし意思表示もはっきりしているといわれるが、恋愛となるとまだまだ偏った恋愛観やジェンダーにとらわれている男女が多いのではないだろうか。
 若者たちが親密な関係をもち始めるころ、できればその前から、中学、高校あるいは大学などでデートDVについての予防教育を行い、早いうちにDVの芽を摘み取ることが必要だと痛感した。
 
”あい””ゆう”データトーク
こんなに多いデートDV
あい: 2007年の「若い世代における『恋人からの暴力』に関する調査」によると、現在または過去に恋人がいたと回答した258人のうち、男女とも約半数が交際相手から身体的・精神的暴力を受けたことがあると答えている。デートDVがこんなにも多いなんてショックだね。
ゆう: 2005年の内閣府の『男女間における暴力に関する調査』では、10歳〜20歳代の結婚前に交際相手から身体的暴力、精神的暴力、性的暴力を受けたことがある人が女性13.5%、男性5.2%だった。調査の内容などが違うので単純比較はできないけど、今回はそれよりもずいぶん多いね。
あい: 男性では、〈恋人が急に機嫌が悪くなったり優しくなったりして、いつも気をつかわされる〉が42.2%で飛び抜けて多い。〈行動を制限される〉〈言葉で嫌な思いをさせられる〉〈貸したお金を返してもらえない〉などでは、どれも女性の方が4.5〜7.7%多くなっている。
ゆう: それに〈避妊に協力してくれない〉女性12.3%、男性0%、〈嫌がっているのに性行為を強要〉女性9.2%、男性0.8%など、やっぱり女性の方が深刻な被害を受けているね。
あい 相談相手は男女共に友達が多いね。(女性68.4%、男性43.5%)。相談を受けた人が、デートDVについて正しい知識や情報を持っていて、適切なアドバイスができれば、早い段階で断ち切ることができるかも知れない。そのためにも、学校やメディアなどを通して、デートDVをわかりやすく伝えていくことが重要だね。
     表1:恋人からの被害経験(恋人からされた行為)                        
全体
258人
女性
130人
男性
128人
急に機嫌が悪くなったり、優しくなったりして、いつも気をつかわされる 33.7 25.4 42.2
行動を制限される 21.7 24.6 18.8
バカ、アホ、頭悪いなどの言葉でいやな思いをさせられる 13.2 15.4 10.9
貸したお金を返してもらえない 6.2 10.0 2.3
避妊に協力してくれない 6.2 12.3 0
友達や家族に連絡を取ることを嫌がられる 5.4 6.9 3.9
嫌がっているのに性行為を強要される 5.0 9.2 0.8
イライラしているときなどに、目の前で物を壊したり、叩きつけたり、壁を破ったりナイフを持ち出したりして、怖い思いをさせられる 5.0 6.9 3.1
思うとおりにしないと「○○する」と言って脅される 4.3 4.6 3.9
自分のお金をまきあげられる 2.7 2.3 3.1
殴る、蹴るなどをされて怪我を負わされる 1.2 0.8 1.6
突き飛ばしたり、壁に叩きつけられる 1.2 1.5 0.8
あてはまるものはない 50.0 50.0 50.0
データ:内閣府「女性に対する暴力に関するシンポジウム報告書」p.63のグラフをもとに作成

表2:恋人からの被害の相談相手(恋人からされた行為についての相談先)
相談先 全体 女性 男性
友達 55.5 68.4 43.5
家族 5.5 8.9 2.4
職場・アルバイトの関係者 5.5 10.1 1.2
親戚 2.4 5.1 0
通っていた(いる)学校・大学の関係者 0.6 0 1.2
警察 0.6 1.3 0
民間の専門家や専門機関 0 0 0
警察以外の公的機関 0 0 0
その他 1.2 0 2.4
誰にも相談していない 42.7 30.4 54.1
データ:内閣府「女性に対する暴力に関するシンポジウム報告書」p.65のグラフをもとに作成
 「若い世代における『恋人からの暴力』に関する調査」報告書
(2007年9月、インターネットにより16〜29歳の未婚の男女358人を対象に実施) 内閣府『女性に対する暴力に関するシンポジウム報告書』2008年3月 所収




スポット れ・き・し
デートDV予防教育
 日本におけるデートDVへの取り組みは、DV被害者支援を担ってきたNPOなどの民間団体を中心に始まりました。なかでも“アウェア”は、最も早い2003年からデートDV防止プログラムを実施し、2006年からはファシリテーター養成講座を開始するなど、全国各地の団体や自治体での取り組みの推進に大きな役割を果たしています。  内閣府でも2006年度から、自治体に委託して若年層を対象としたDV予防啓発プログラムの作成のための調査研究を開始しています。これによりデートDVの深刻な実態が明らかになるとともに、できるだけ早い時期に若者にデートDVの存在に気づかせ、DVの加害者にも被害者にもさせないためのDV予防教育を実施すべきとの認識が広がり、多くの中学・高校・大学で取り組まれるようになってきています。
 
 
大鰐(おおわに)町からのお便り
◆大鰐町「広報おおわに」にエッセイ掲載継続決まる!!
 当研究所では平成19年3月号から南津軽郡大鰐町発行の「広報おおわに」男女共同参画コーナーにエッセイを寄稿してきました。
 このたび大鰐町役場の担当者から、「住民の方々から『読んでいて為になる。』『とても楽しみにしている。』という声が聞こえるようになり、男女共同参画意識をもっと広めていくためにも”継続は力なり”を信じ頑張っていきたいので、21年度も引き続き参画コーナーを設けたいと考えています。」とのうれしいご連絡をいただきました。21年度も「広報おおわに」男女共同参画コーナーで身近な男女共同参画の話題を提供してまいります。引き続きよろしくお願い致します。

◆大鰐町広報の参画コーナーについて大鰐町役場担当者より
 社会に出て働くようになって、「何か変だ。何か違う。」と感じることが度々ありました。 何がそうなのか解らないままに年月を重ねてきましたが、毎月、広報に掲載される男女共同参画のコーナーを読むうちに、合点がいきました。
 男女共同であるべき世の中のボタンの掛け違いを体感して、「何か違う。」と思いながら過ごしてきたことに気づいたのです。
 男女の意識の違いや同性同士であっても異なる考えが多様にあること。あたりまえかも知れないことが、妙に違うと感じること。異性の立場にたって物事を捉えることも必要なんだと・・。自分自身の参画意識の立場を知ることができました。参画意識初心者の実感です。
 
“パートナーセッション2009”へパネル展示
平成21年1月10日(土)10:00〜16:00
場所:アピオあおもり


 午前は映画、午後は講演「ワークライフバランス〜働き方、生き方をいきいきと〜」などが催され、各団体のパネル展示が行われました。当研究所ではメディアを通しての男女共同参画の理解普及活動について展示しました。


合宿研修
日時:平成21年2月21日・22日
場所:アソベの森「いわき荘」(弘前市)


21日
◆テーマ:「男女共同参画の動向とこれからの取組」
 講 師:佐藤恵子さん(青森県立保健大学 教授)

22日
◆テーマ:「男女共同参画啓発プログラムの作り方、
      理解普及活動への取り組み方」
 講 師:NPO法人「SEAN」(大阪府高槻市)
        副理事長 遠矢家永子さん
◆男女共同参画ネットワーク・津軽広域
 フレッシュセミナー
 テーマ:「活動を広げる・深める・おもしろくする」
 講 師:NPO法人「SEAN」
     副理事長 遠矢家永子さん


【遠矢家永子さんを囲んで】



【学習会で話す遠矢さん】

 <感想>
♪〜遠矢さんから学んだこと。男女共同参画と言わなくても、人として心地よい暮らし方、生き方の方向を誤らずに!出来ないことを嘆くのはエネルギーの無駄、出来ることを始めるべし!勇気を持って一歩踏み出す!心に響きました。(須藤)  
【フレッシュセミナーの様子】

♪〜遠矢先生のお話は私が考えていた事と繋がってすっきりしました。命についてと存在について,今後の活動に役立てていければいいなと考えています。有意義な二日間でした(珍田)

♪〜昨年のヌエック研修でNPO法人「SEAN」のワークショップ「マンガ・雑誌の性情報と子どもたち」に参加して、もっと知りたい勉強したいと思っていました。今回、遠矢家永子さんをお招きできて感無量でした。「ジェンダーと暴力」の関係、人として強くやさしくの意味、子どもたちを加害者にも被害者にもしないために、ということがこれからの私の方向を決めていくのではないかという気持ちでいます。出会いは素晴らしい。(蛯名)


♪〜おかげさまでとても楽しく有意義な時間を過ごせた2日間でした。慶長さんの心配りと皆さんの団結力の強さを目の当たりに出来たことで、私を研究所の一員に入れて下さいました皆様に感謝致しております。本当にありがとうございました。これからもよろしくお願いいたします(筒井)


♪〜今回の岩木荘での宿泊研修は、悪天候にもかかわらず全員が参加し、静かな雰囲気の中で美味しい料理と温泉を満喫した上に、遠矢さんと交流し貴重なお話しを伺うことができ、本当に充実した2日間でした。その上、人生の大きな節目の60歳の誕生日を皆さんに祝っていただけるなんて!!あの素敵な自動車のケーキの味は、一生忘れません。本当に有り難うございました。(佐藤恵子)
 

【お誕生日おめでとう!】

♪〜2日間にわたる研修はとても楽しかったです。佐藤先生の研修とその後の皆さんとの話しあいや遠矢さんのお話ではNPOの今後について考えさせられました。夜の懇談ではリフレッシュできました。何よりも大雪・強風で県内の交通機関大混乱の中、参加予定者全員が揃うことができたことに驚きと感動を覚えました。皆様お疲れ様でした(山谷)


♪〜五能線がバス代行になるのはいつものことです。ただ予定より2時間近くの遅れが出て、ちょっとあせりました。携帯があってよかったと実感した一日でした。みんなの顔を見たときは、ほんとうにほっとしました。(山本)

♪〜頭も心も体も、温まって充実した2日間でした。これからの活動のパワーに必ずなります(慶長)