青森県における男女共同参画社会の実現を目指して活動する特定非営利活動法人です。

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私たちは県内で広く活動する会員のネットワークを活かし、
行政や企業、団体そして地域の皆さんとパートナーシップ
をとりながら、青森県における男女共同参画社会の実現を
目指して活動しています。



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   会報 第28号  2009年 9月      無断転載および印刷はご遠慮ください
                                 
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ジェンダー・カフェ
〜月刊情報誌「We learn」に当研究所の企画ページ掲載〜

 
  財団法人 日本女性学習財団が男女共同参画社会の形成に資する女性の生涯学習雑誌として毎月発行している「We learn」に「ジェンダー・カフェ」のタイトルで当研究所の2ページの企画が掲載になりました。
育児の苦労は、買ってでもしたほうがよい  2006年6月掲載
「毎日、子どもの世話と掃除・洗濯・食事の支度に明け暮れていると、メディアの仕事に就いているにもかかわらず、大事故のニュースを知らないなど、社会の出来事に疎くなっている自分がいました。社会との接点が少なくなっていて、そんな中、保育園の先生や周囲のお母さん方との話やアドバイスは大変ありがたいものでした。」と、話してくれたのは、妻の職場復帰をサポートするため育児休業を取った男性です。
 公務員や学校の先生ではない、会社員の男性が育児休業を取得したという噂を聞き、どんな人だろうと思っていたとき、お話を伺う機会がありました。
 お互いの仕事を尊重し、家族の大事な出来事は共有しようと、2人で話し合って出産の立会い・育児休業を決めたという「夫・父親の鑑(かがみ)」のようなお話の一方で、自分の場合はたまたま休業しても他の社員がカバーできるところだったので取れたけれど、忙しい部署だったら同僚に迷惑をかけるから取ろうと思わなかったかもしれないと、仕事優先の考え方もチラリ。そして、そんな自分を振り返りながら、取りたくても職場の事情で取れない男性は多いのではないか、自分の育児休業を可能にしたのは何よりも会社の理解と同僚の協力であったと話されました。
 ここ数年、新聞などいろんな場で育児休業を取得した男性の体験談を聴いたり見たりする機会が増えてきました。その中で共通しているのは、会社や同僚の多くが「目いっぱい楽しんで」と声をかけてくれたことなど周りの理解や協力が大きな支えになったということです。
 子育て中の母親の育児ノイローゼの原因として、母親だけに子育てが任され、父親の存在感が薄いことや人とのつながりが少ないことが指摘されています。
 「育児の苦労は買ってでもしたほうがよいです。子どもが小さいうちに子育てにかかわり、その大変さがわかるだけでも意味があります。長い人生で今しかできない体験は、妻や子ども、そして何よりも自分に良い影響を与えます」と話す彼は、子どもを育てているようで、実は自分の人生を豊にしている、まさしく「育児」は「育自」に気づいています。 男女がともに安心して子どもを産み育てることができる世の中こそ、豊かな社会といえるのではないでしょうか。
 
”あい””ゆう”データトーク
「少子化対策のカギは夫の家事・育児参加」
あい: 夫婦の1年間の子どもの出生状況について興味深い結果が出たよ。
ゆう: どんな結果?
あい: 妻の職場に育児休業制度があるかどうかで、夫婦に子どもが生まれる率が約3倍も差が出たこと(表1)。やっぱり、子どもを産んだ後も同じ職場で仕事を続けられるという保障があれば、産みやすくなるってわけだね。
ゆう: へぇ。そうなんだ。
あい: それから、夫の家事・育児時間が多いほど、子どもが生まれていることもわかったよ。
第1回調査の時に子どもが欲しいと考えていた夫婦のうち、夫の休日の家事・育児時間が増加した夫婦は減少組より出生率が10%も高かった。
ゆう: だけど、時間の増減が変化なしの夫婦の出生率も“増加夫婦”とあまり変わらないけどね。
あい: 第2子の出生率を見てよ。一番高かったのが、“増加夫婦”(表2)
夫の1日当りの仕事時間(10時間以上)の増減別での比較でも、第2子の出生率は、仕事時間減少組が一番高かった(表3)。
夫の家事・育児参加と仕事時間減少が第2子を産むかどうかのキーポイントかな。
ゆう: なるほど。やっぱり少子化対策のカギは、夫の家事・育児参加と仕事時間減少、そして妻が出産後も仕事を続けられる職場環境が必要ということなんだね。

表1 妻の職場の育児休業制度の有無別1年間の出生状況
(単位:%)
育児制度の
有無
出生あり 出生なし
総数 第1子 第2子 第3子
制度あり 14.3 4.7 7.3 1.7 85.7
制度なし 5.2 2.2 2.4 0.7 94.8
わからない 6.8 2.6 1.9 2.3 93.2

表3 夫の仕事時間(10時間以上)の増減別1年間の出生状況
(単位:%)
夫の仕事時間 出生あり 出生なし
総数 第1子 第2子 第3子
増加 22.0 4.1 13.8 4.1 78.0
減少 28.4 5.4 21.5 1.5 71.6
変化なし 30.4 8.7 18.8 2.9 69.6
表2 夫の家事・育児時間の増減別1年間の出生状況
(単位:%)

夫の家事・
育児時間
出生あり 出生なし
総数 第1子 第2子 第3子
増加 30.4 5.8 22.0 2.6 69.6
減少 20.2 5.3 12.4 2.5 79.8
変化なし 30.7 11.9 17.6 1.1 69.3


『21世紀成年者縦断調査』 厚生労働省 平成18年3月8日公表
 少子化対策などの基礎資料を得るため、平成14年10月末時点で20〜34歳だった全国の男女とその配偶者を対象に15,16年と毎年追跡調査を実施。平成16年11月の今回の調査には約2万人が回答した。




スポット れ・き・し
女性政策から男女共同参画政策へ
 現在の男女共同参画社会への取組は、1975年の国際女性(婦人)年を契機に、国連を中心とする世界的な運動から始まりました。女性差別的な社会(=男性中心・男性支配社会)の仕組みや意識によって生じている様々な女性問題を解決するために、女性の意識改革をはじめ、社会的地位の向上、社会参加の促進、職場における女性差別の解消など女性を対象にした女性政策が進められてきました。それらの成果として女性たちの男女平等や自立意識が高まり、職業を始めとする社会進出が進みました。
 取組が進む中で、女性が変わるだけでは根本的な問題は解決できないこと、および女性に比べて優位な立場にあるとみられていた男性も深刻な問題を抱えていることが明らかになり、男性の働き方や生き方を変えることの必要性が認識されるようになりました。
 こうした経緯を経て、これまでの男女の関係のあり方、男女の生き方の変更をめざす『男女共同参画社会基本法』が1999年6月23日に成立・公布されました。



 国立女性教育会館(ヌエック)
「平成21年度男女共同参画のための研究と実績の交流推進フォーラム」にてワークショップ開催
(平成21年8月28日〜31日)

【ワークショップの様子】

 平成21年8月28日(金)から30日(日)までの3日間、ヌエックにおいて「女性のエンパワーメントと男女共同参画社会づくり〜学ぶ・つながる・広がる・変わる〜」をテーマにフォーラムが開催され、全国から集まった大勢の人が熱心に70にものぼる講演やワークショップに参加しました。
 当研究所は29日(土)の午後に2時間にわたりワークショップを開催しました。
 研究所の概要説明ののち、第1部の報告と第2部の提案をうけて第3部で意見交換を行いました。

テーマ:男女共同参画社会の第二ステージに向けて
                  −さらなる活動・実践の方法と課題について考える−

◆青森県男女共同参画研究所概要について
◆第1部「活動・実践報告」

  [1]市町村広報誌に「男女共同参画コーナー“エッセイ”」を連載する
  [2]自分が住む地域で男女共同参画のグループを結成する
  [3]行政職員を巻き込んだ男女共同参画のネットワークをつくる
  [4]自分のまわりの人たちに男女共同参画を伝える
◆第2部「さらなる活動・実践に向けての提案」
  [1]男女共同参画について学び、支え合う仲間をつくる〜学習の場と仲間は活動の基盤、原動力
  [2]男女共同参画に対する無関心、アレルギーを解消する〜多様な層(世代、地域、職業など) の人たちにあわせた伝え方の工夫・配慮
  [3]行政とのつきあい方を考える〜行政との協働のあり方、行政の巻き込み方
  [4]活動を継続し広げるためにネットワークを活用する〜ネットワークづくりのポイント、活用法
◆第3部 意見交換

とても活発な意見交換が行われ、参加の皆さまからは「中身の濃いそして実り多いワークショップであった」との感想を多数いただきました。私たちにとってもこれまでの活動を振り返りつつ第二ステージに向けた展開を考える大変良い機会になりました。充実の2時間でした。
【フォーラム研修棟の前で】

【活発だった意見交換】
男女共同参画エッセイ集を作成しました

おんな・おとこ 共に生きる
陸奥新報へ50回連載
(H18.1.15〜H18.12.31)
女と男の間には
東奥日報へ14回連載
(H16.8.4〜H16.11.3)
男女共同参画ってなに?
市町村広報誌「男女共同参画コーナー」連載から
(H15.2〜H21)
ジェンダーカフェ
財団法人・日本女性学習財団発行月刊誌「ウィラーン」連載
(H18.6〜H21.3)

ヌエック研修での感想
●今年のヌエックのワークショップは、参加者も多く内容も充実していて、これまでの研究所の取り組みの成果を全国に向けて発信することができたと思います。時期的にも男女共同参画社会基本法ができて10年、しかも翌日の総選挙で政権交代が実現するという好機に恵まれ、忘れられない思い出となるでしょう。男女共同参画の第二ステージに向けて、これからも心と力をあわせて前進していきましょう!!(佐藤恵子)

●ワークショップは50名の参加者があり、当法人のパワー炸裂で、おおいに盛り上がりました。私にはサプライズがありとても幸せな日でした。さらなる活動のパワーをもらいました。(慶長)

●今回のヌエック研修に参加された方々から受けた印象は、これからも第1ステージは引き続けなければいけないということ。第2ステージと同時進行でと思いました。(蛯名)

●必ずヒントを得るヌエック
自分の都合で2日間の参加。研究所のワークショップ開催の時間以外は全くのフリータイムなので、数あるテーマの中から選択したのが寸劇。なかなかインプットできない台詞を人形劇の手法を取り入れてカバー。最小限の小道具とナレーションの絶妙さ、まさに「百聞は一見にしかず」でした。(須藤)

●このフォーラムに参加するたびに感じるのは、全体の参加人数、行政や国・県・市町村議会議員の参加人数の減少である。国や県、市町村の参加者への予算打ち切りが影響しているのではないだろうか。しかし、私が参加したワークショップ開催団体の質は確実に向上している。当研究所ワークショップでの、青森県内の各市町村への広報・メディアを通しての働きかけや地域づくり、名古屋NPO法人参画プラネットの「新しい働き方」、大阪高槻NPO法人SEAN[人権教育プログラム]への参加人数は増えている。男女共同参画社会の第二ステージは、NWECフォーラム参加者のパッションを、行政や国・県・市町村議会議員へのパッションにかかわるしかけづくりではないだろうか。(田中)

●「全国的に見ても大変ユニークな活動」と再認識し、自信を得ました。
これまで平成16年、平成19年と2回、ヌエックから依頼を受けてヌエック事業で当研究所の活動報告を行っています。当研究所のメディアを活用した活動は全国的にみても大変目のつけどころの優れた取組であるということが、ワークショップに参加された全国の皆さんからの感想で再確認できました。(山谷)

●ワークショップでは用意した資料が足りなくなる盛況ぶり。女性差別撤廃委員会の報告を聞き、日本はまだまだ遅れていると実感した。男女共同参画は世界レベルでの動きなのだということを広く知らせる必要があると再確認した。ヌエックで受けた刺激を今後の活動のエネルギーに変え、これからも頑張っていきたいと思っている。(山本)