青森県における男女共同参画社会の実現を目指して活動する特定非営利活動法人です。

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私たちは県内で広く活動する会員のネットワークを活かし、
行政や企業、団体そして地域の皆さんとパートナーシップ
をとりながら、青森県における男女共同参画社会の実現を
目指して活動しています。



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   会報 第29号  2010年 1月      無断転載および印刷はご遠慮ください
                                 
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ジェンダー・カフェ
〜月刊情報誌「We learn」に当研究所の企画ページ掲載〜

 
  財団法人 日本女性学習財団が男女共同参画社会の形成に資する女性の生涯学習雑誌として毎月発行している「We learn」に「ジェンダー・カフェ」のタイトルで当研究所の2ページの企画が掲載になりました。
男女が共に子育てを担うために 〜三歳児神話を乗り越えよう!〜
 学生たちと、仕事と育児の両立について話題になった時のこと、その場にいた女子学生全員が、「子どもができたら、育児休業を取って仕事を続ける。その後は夫と平等に家事・育児を分担していく」と言う。そこで、「なぜ、今から自分が育児休業を取ると決めているのか。夫が取るという選択肢はないのか?」と尋ねると、「やっぱり母親が取るのが当たり前じゃないですか?特に生まれたばかりの赤ちゃんは、母親でなければダメだと思います。夫には無理でしょう」と口々に言う。
 彼らは、私が担当する講義を通して女性問題や男性問題について学び、性別役割分業やジェンダーの問題を理解し、それらにとらわれない自立した生き方をめざしたいと公言している学生たちである。その彼らですら“子育ては母親がするのが当たり前、とくに子どもが小さいうちは母親がいつもそばにいて世話をするのが望ましい”という、母性神話や3歳児神話をためらいもなく口にするのを聞いて、思わずため息が出た。

 それでもこの機会を逃してはと考え、「母親だけが1年も育児休業を取ってしまったら、専業主婦家庭のように家事・育児は母親の役割という生活パターンができてしまい、仕事に復帰した後もその状態が続いてしまうおそれが大きいこと」「父親にも乳児の世話はできるし、誕生直後から育児にかかわる方が家事・育児の分担もスムーズなこと」「できれば育児休業の前半を妻が取り、後半は夫が取る」または労働時間短縮型の育児休業を取るという方法が子どものためにもよいこと」など、実例をあげて話した。学生たちは、初めて現実に触れてショックを受けたのか、真剣な表情で聞き入っていた。少し意識が変わってくれたようでうれしい。
 
”あい””ゆう”データトーク
「今も根強い三歳児神話」
あい: 第2回全国家族調査で、〈子どもが3歳くらいまでは、母親は仕事をもたずに育児に専念すべきだ〉について、賛成が全体で74.5%(男性77.4%、女性71.9%)も占めている。やっぱり3歳児神話は根強いということかな。
ゆう: 年齢による違いもかなり大きいね。女性は特に年長層(73歳~77歳)と若年層(28歳~47歳)で、〈そう思う〉が40%近くも差がある。年配になるほど3歳児神話を信じている傾向があるようだね。
あい: 確かに、若い人には〈そう思わない〉も結構いて、女性の38歳〜42歳では〈そう思う〉〈そう思わない〉がほぼ同じ割合の20%。この年齢層の女性たちは、子どもが3歳を過ぎている頃だけどその人たちの意見がまっぷたつに割れているというのが興味深いね。
ゆう: 男性の68歳〜77歳までの年長世代は、女性に比べて〈そう思う〉が若干少ないけど、33歳〜42歳の若年層は、逆に女性よりも4%〜7%高くなっている。
あい: 若い男性には、育児参加を希望する人が増えていると思ったけど、やっぱり子どもが小さいうちは母親に任せて、自分の出番はもう少し大きくなってからと考えているのかな。男性の育児休業取得がなかなか進まない現状を裏付けるデータじゃないかな。
ゆう: いずれにしても、この3歳児神話を乗り越えなければ、男女共同参画社会の実現は難しい。3歳児神話に科学的な根拠がないことや、この“神話”のために苦しんでいる女性や育児参加を阻まれている男性たちの声を、広く知らせていくことが必要だと思うよ。
     表:「子どもが3歳くらいまでは、母親は仕事を持たずに育児に専念すべきだ」賛否
  そう思う どちらかといえばそう思う どちらかといえばそう思わない そう思わない


性 
73歳〜77歳 56.4 28.6 8.6 6.4
 68歳〜72歳 53.1 32.6 8.5 5.9
63歳〜67歳 48.5 38.0 7.5 6.0
58歳〜62歳 50.7 30.7 11.2 7.4
53歳〜57歳 42.1 36.4 11.4 10.1
48歳〜52歳 42.6 34.9 13.9 8.6
43歳〜47歳 31.7 46.1 12.5 9.6
38歳〜42歳 29.2 42.3 16.5 12.0
33歳〜37歳 25.8 39.0 18.7 16.5
28歳〜32歳 25.1 39.4 19.0 16.5
40.4 37.0 12.3 9.8


*『第2回家族についての全国調査』日本家族 社会学会・全国家族調査委員会 2005.4 所収

  そう思う どちらかといえばそう思う どちらかといえばそう思わない そう思わない


性 
73歳〜77歳 60.9 27.7 6.0 5.4
 68歳〜72歳 55.8 29.4 7.5 7.2
63歳〜67歳 45.5 35.0 10.1 9.4
58歳〜62歳 44.7 36.4 11.8 7.0
53歳〜57歳 40.4 36.2 12.7 10.7
48歳〜52歳 34.3 33.0 18.3 14.4
43歳〜47歳 32.2 37.7 15.3 14.7
38歳〜42歳 21.3 39.7 18.7 20.3
33歳〜37歳 21.7 41.1 20.3 16.9
28歳〜32歳 23.8 40.5 19.6 16.1
35.7 36.2 14.7 12.7
全 体  37.9 36.6 13.6 11.3




スポット れ・き・し
3歳児神話のルーツ

 3歳児神話とは、「子どもが小さいうちは、特に3歳までは母親が子どものそばにいて、育児に専念すべきだ」という考え方です。そのルーツは大正時代にさかのぼりますが、戦後の高度経済成長期に、「男は仕事、女は家庭」という性別役割分業家族を経済発展の基盤と位置づける政策の下に意図的に強調され、広く普及しました。
 3歳児神話の普及にあたって、「ホスピタリズム研究」や「母子相互作用研究」などの科学的知見が大きな役割を果たしました。しかし、その後の研究により科学的根拠に対する疑義が出され、合理的根拠がないにもかかわらず広く信じられているという意味を込めて「3歳児神話」と称されるようになりました。
 現在では、3歳児神話は、女性の職業継続を阻み、子育て専業女性を追い詰め、男性の育児参加を阻むなど多くの弊害が指摘され、その克服が課題となっています。

「大日向雅美著『母性愛神話の罠』日本評論社 2000年より」

 
 
パネル展示 青森県総合社会教育センター
     「生涯学習フェア2009」に展示部門で参加
■日 時:平成21年9月26日
■テーマ:広げよう 夢をつなごう 学びのココロ


参加型で子どもも関心を示す物の展示ということで
@「平成21年度男女共同参画のための研究
  と実践の交流推進フォーラム」
   国立女性教育会館にて開催のワークショップ
   ―男女共同参画社会の第二ステージに向け
   てさらなる活動・実践の方法と課題について
   考える― の状況報告


高校生とジェンダーチェック

A平成20年度、21年度に県内各地で開催した講演、講師活動紹介
B男女共同参画がテーマとなっている絵本の紹介
C参加型 ジェンダーチェック
以上についての展示を行いました。

 ご夫婦で見えられ、それぞれジェンダーチェック表を書き込み、お互い照れながら、覗き込んでいたり、高校生が2名参加して、関心を持ったのか再度友人を伴って来室してくれたこともうれしいことでした。一人で来室した高齢の女性が「離婚してやっとこのような自分の行きたい場所に来られる様になりました。」と、問わず語りに言っているのを耳にし、活動の重要性を感じました。


 「第6回弘前市民参画センター交流まつり」でパネル展示
■平成21年9月27日
■弘前市民参画センター


「弘前市民参画交流まつり」では、当研究所をはじめ多くの団体が日ごろの活動をパネル展示しました。
記念講演や団体の活動発表などに終日大勢の人でにぎわいました。
 
 

講師活動「第2回岩手県男女共同参画担当職員研修会」講師を終えて

研修会の様子
■と き:平成21年10月1日(木)・2日(金)
■場 所:いわて県民情報交流センター
■テーマ:男女共同参画事業づくり


 岩手県男女共同参画センターが主催する岩手県の市町村男女共同参画主管課職員を対象とした研修会が平成21年10月1日(木)・2日(金)に1泊2日の日程で「いわて県民情報交流センター」において開催されました。
 当研究所の工藤緑専務理事が10月2日9:30〜12:15の2時間45分わたり「男女共同参画事業づくり」をテーマとして講演・ワークショップを行いました。
 工藤専務理事は前日の交流会から参加し、参加市町村職員の熱意を実感してはいたのですが、ワークショップでのとても活発で熱心な意見交換に驚きを隠せなかったそうです。男女共同参画に燃えている岩手県を実感!!


 講師活動 平成21年度十和田市男女共同参画社会推進講座
     「女 ひと ( ひと ) いきいきセミナー」
 第1回 田中弘子講師報告
■と き : 平成21年11月20日
■場 所 : 十和田市中央公民館
■テーマ : まちづくりに必要な男女共同参画の視点

 平成21年11月20日、十和田市主催、毎日の生活を振り返り、身近なことから「男女共同参画」について理解を深め、自分なりに気づき行動することを啓発するという目的である3回講座の1回目「まちづくりに必要な男女共同参画の視点」についてが、私の担当でした。会場は十和田市立中央公民館。男性を含めた15人ほどの参加者でしたが、託児を必要とするママさんたちの参加はありませんでした。
 平日・午後開催の講座は、参加者が限られてしまうという課題があります。しかし、主催である総務課広報男女参画係担当者のネットワークと思われる参加者のためか、和気あいあいとした雰囲気で担当者の一生懸命な対応に、私も心をこめてお話をすることができました。
 

 私が運転しても十和田市までたどり着けますが、夫を「男女共同参画」について参画させる機会と考えて、夫の運転で往復してきました。
 参加した方々に「男(ひと)と女(ひと)が共に同じく参加し企画する社会を進めていく」という視点は、保証された財源があるわけでもないのに、困っている人や社会環境が危機にさらされているなら資金や人材がなくても、動き出すという自発性から新しい公共という仕組みづくりに向かっていく視点であるということを伝えたいと思いました。そのためには、いろいろな人たちとのかかわりを楽しもうよ。そして、それぞれ点で活動しているキーマンが、課題を共有し解決に向かうという共通意識をもつきっかけがあれば、共に新しい公共に向かっていける。そこで必要なのがコーディネーターの育成であるということを、事例を通してお話させていただきました。
 弘前市で平成7年からスタートした「1億円ふるさと創生基金(人づくりにだけ基金を活用・市民が社会参加をするという種まきをした)」を活用したまちづくりの塾生育成。平成12年設立・弘前市女性職員自主研究グループ「うきうきクラブ」は、行政職員がコーディネーターでした。
 平成6年設立の「セミナー・ハンサムウーマン」、平成17年設立・官民協働学習グループ「つながれっとサロン」、平成19年設立・「男女共同参画ネットワーク・津軽広域」は、男女共同参画社会を推進する市民活動団体と行政職員がコーディネーターでした。平成19年は、各活動団体のキーマンをコーディネートすることによって、文化庁委嘱事業「文化ボランティア全国フォーラムIN弘前」で弘前を全国に発信することができたこと。また、平成21年は「国際子ども文化芸術交流Junior Artist Festival(子ども文化芸術団体のネットワークと韓国との国際交流)」を男女共同参画活動団体やNPO、文化ボランティアなどのコラボレーション(協働)による市民力で開催することができ、そして今、そのコラボーレーションによって、まちづくりに必要な男女共同参画の視点を基本に「ようこそつながれっとサロンへ」の8講座を開催中であることを紹介しました。これからも、パッション(まちへの情熱)をもちつづけ、ミッション(できることをやる)を大切に、仲間たちと対等・平等な関係を築きながら、柔軟な対応と進化していくための工夫を学び、出会い、つながり、動きだすことを、楽しく続けていきましょうと参加者と共有し、「国際子ども文化芸術交流Junior Artist Festival」のDVD観賞を最後に私の担当を終了しました。

 講師活動 平成21年度十和田市男女共同参画社会推進講座
     「女 ひと ( ひと ) いきいきセミナー」
 第3回 工藤緑講師報告
■と き : 平成21年12月2日
■場 所 : 十和田市中央公民館
■テーマ : 共働きをするために、夫婦で考えなければならないこと
 12月2日には第3回講座を工藤緑専務理事が「共働きをするために、夫婦で考えなければならないこと」をテーマに行い、熱心な受講生との充実した内容になりました。