「大きくなったら何になる?」子供の頃、こんなふうに質問されたことがありませんか?大人になったら、あなたは何になりたかったのでしょうか。
キャリアの発達段階説をご紹介します。
1. 成長段階(1〜14歳)職業に興味が芽生える
2. 探索段階(15〜24歳)現実と照らして試行錯誤する
3. 確立段階(25〜44歳)方向性が定まりキャリアを確立する
4. 維持段階(45〜64歳)積み重ねたキャリアを維持する
このように職業のキャリアは途絶えることなく発達していくという説です。
ところが、日本の女性の実態は少し違うようなのです。これは、女性の年齢階級別労働力率のグラフを見ると、30歳前後の労働者が急激に減少しています。それから10年後の40歳前後で再度、労働市場に戻っています。これをM字カーブと呼び、多くの女性が結婚や出産のために仕事を辞めていることが表われています。しかも、このようなカーブを描くのは日本と韓国だけで、その他の国では台形、つまり一旦職業に就いたら女性も働き続けているのです。近年、日本でもM字の底が徐々に持ち上がってきて台形を目指していることがわかります。
しかし、総務省による調査「出産前就職者の就業継続率」では、依然として正社員の約半数が離職しているというデータもあります。また、「介護・看護を理由に離職した人数」の調査によると、総数が10万人前後から、平成18年には14万人と急激に増加し、女性は12万人にものぼっています。総数における女性の比率は殆ど変っていないこともわかります。これから先、日本は超高齢化社会を迎えることは明らかですので、早期対策が必須です。「男は仕事、女は家庭」とは、1954年〜1973年の高度成長期に、猛烈社員の夫を専業主婦が家庭を守って支えるという構図の上に生まれた価値観です。
次に、「共働き世帯数の推移」のグラフを見ると、平成9年以降は共働きが片働きを上回り、1千万世帯を超えました。女性のみが家庭責任を負うという社会の意識や制度が現実から乖離しているのです。 また、日本の人口構成の予想グラフを見ると、日本が危機的な状況に向かっており、政府が女性の労働力に期待する意味が分かります。現在、国を挙げてワーク・ライフ・バランスを推進しているところですが、企業は制度を導入したいが、肝心の労働者の意識がついて行っていないとも言われています。しかし、若年労働者や高校生と接してみると、女性の職業意識は高まっていると感じることも多く、彼らの今後の活躍に大いに期待したいところです。
「ライフ・キャリア・レインボー」は、人生には8つの役割があるという学説で、「キャリアとは人生の中であなたが積み重ねるすべての経験である」というものです。ワーク・ライフ・バランスの意図するものは、男性も女性も仕事かプライベートかの二者択一ではないということだと思います。もう一つ、マズローの欲求5段階説をご紹介します。これを基に、何のために働くのかを考えてみましょう。
希望を持って働くことは人間としての自然な欲求です。女性だからというだけの理由で、キャリアを諦めることはありません。未来の自分のために、今何ができるか考えることがキャリア・プランニングなのです。
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